はじめに
どうもみなさんこんにちは、管理人のmasaです。
今回のテーマは鯉のぼりの歌について。
こどもの日に歌われる「こいのぼり」の歌。
この歌のことを調べていくと、実に興味深いことがちりばめられています。
お子さんはもちろん、友人や会社の同僚に話しても面白いエピソードを今回はお話していくのでお楽しみに。
ちょっとした豆知識を知っていると、以前聴いたものとまた違った歌に聴こえて来ることでしょう。
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【童謡「こいのぼり」と「鯉のぼり」】
皆さんはこどもの日に歌う鯉のぼりの歌と聞いて、どんなものを思い浮かべますか?
「屋根より高いこいのぼり」の歌いだしで始まる「こいのぼり」と、「甍(いらか)の波と雲の波」と歌いだす「鯉のぼり」が有名ですね。
もしかしたら若い人は「鯉のぼり」のほうは知らないという人もいるかもしれません。
ここで、二つの歌の歌詞を紹介したいと思います。
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こいのぼり 作詞 近藤宮子 作曲者不詳
やねよりたかい こいのぼり
大きい真鯉は おとうさん
小さい緋鯉は こどもたち
おもしろそうに 泳いでる
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鯉のぼり 作詞者不詳 作曲 弘田龍太郎
甍(いらか)の波と 雲の波
重なる雲の 中空(なかぞら)に
橘(たちばな)香る 朝風に
高く泳ぐや 鯉のぼり
「こいのぼり」の初出は1931(昭和6)年、「鯉のぼり」は1913(大正2)年です。
初出の時代によって、詩の文体も変わっているのが分かります。
先ほど、「鯉のぼり」の歌は若い人は知らないかもしれないとお話しました。
歌詞を見てお分かりの通り、文語調の歌詞で難しいため最近は歌われることが少なくなってきたのがその理由です。
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【こいのぼりには2番と3番がある?】
ところで、「こいのぼり」の歌詞には2番と3番があるそうです。
不思議に思い教科書を開いてみると、1番しか載っていません。
調べてみると、2番の歌詞では「大きい緋鯉はおかあさん」と歌われているもの。
最初の部分が「みどりのかぜに さそわれて」という歌詞になっているものなど、色々あるようです。
ん?色々ある?・・・そもそも、色々あるってヘンじゃないでしょうか。
理由を探っていくと、どうも教科書や歌集に載せたりするのに短すぎると成立しないということのようです。
確かに歌うときに1番だけだととても短く、物足りない感じは拭えませんね。
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【1番の歌詞に「おかあさん」が出て来ないワケ】
また、「こいのぼり」の歌詞にはおかあさんが出てきません。
先ほど2番には出てくるとお話しましたが、それは作詞家の近藤宮子さんのオリジナルではなさそうです。
では、どうして近藤さんは「おとうさん」と「こどもたち」だけ歌詞に盛り込んだのでしょうか。
それは当時の時代背景がそうさせたのでしょう。
第二次世界大戦が始まる前のこの時代は、まだまだ日本は平等とは程遠い時代でした。
性別、選挙権、部落差別等が根強く、今の世の中では考えられない思想が世間に広がっていました。
そのような中で、女性の作詞家が「おかあさん」という「女性」を全面に押し出すことに困難が伴うのは、想像に難くありません。
また、2番といわれるものでおかあさんの歌詞が歌われ始めたのは昭和50年代。
その時代は高度経済成長も終わり、家庭に目が向き始めた時でした。
しかしまだ、女性は家庭を守るという考え方も根強い時代。
家族みんなで仲良くという願いもこめて歌われるようになったのでしょう。
そのほかにも、こどもの日は男の子の節句なのでおかあさんはゆっくり身体を休めて欲しいという願いがこめられているなんていう説もあるそうです。
時代によって歌詞が変わり歌い継がれているというのもおもしろいものですね。
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【童謡で裁判があった?】
先ほど名前が挙がった作詞家の近藤宮子さんですが、実はこの「こいのぼり」の著作権をめぐって裁判があったのはご存知でしょうか。
明治から大正に作られた文部省唱歌は、基本的に作者を出さないという原則がありました。
そのために、作詞者・作曲者不詳というものが多いのです。
名前が出ているものは、のちに調査して判明したものになります。
近藤さんも「歌い継がれるなら、名前が出なくてもかまわない」というスタンスだったそうです。
しかし1981(昭和56)年に著作権が切れる際に、日本教育音楽協会が会長名で著作権を取得しようとした際に訴訟に至ったという事がありました。
結果は近藤さんの主張が認められ、作詞者は近藤宮子さんとなりました。
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【まとめ】
調べてみると、2曲のこいのぼりの歌、2番や3番の存在、こいのぼりの歌詞に関するエピソードと興味が沸く話が目白押しでした。
こどもの日は「子供が健やかに成長するように。」と祈る日でもあります。
いつの時代も子供の健やかな成長は共通の願い。
その願いが時代によって姿を変えながら、歌い継がれたのが2曲の「こいのぼり」の歌なんですね。
今年のこどもの日はそんな思いをこめて、お子さんの歌に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
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